実験動物 1




ここはとある遺伝子研究所。
ここではある生物達が研究されていた。
彼らは地球上の、いや神の創り賜うた生物ではない。
彼らはここで遺伝子を人工的に改良することで創られた生物達である。
ここでは主に様々な生物を組み合わせることで新しい生物を創り出していた。
ただ二つの種を人工的に交配させたり、受精させたりするのでは種が混ざらないためより高度な遺伝子改良を施している。
そのため、研究者達は膨大な遺伝子の知識を熟知する必要があるため、数学、物理、化学、生物などあらゆる科学全般の知識をある程度理解している所謂エキスパート達であらゆる可能性を試行錯誤により見つけることに躍起になっていた。


「はあ・・・。」


僕は疲れていた。
もう何日泊り込んだだろう。
みんなピリピリしているし、雑用が多すぎる。
僕はまだただの助手だけどいつかここで自分の研究室を持ち、自分の研究をしたくて勤めている。
まあ小間使いみたいなことしか出来ないからそんなことは当分先のことではあるのだが・・・。


「最近忙しすぎるんだよね。」


睡眠時間が足りず、働き詰めなので少し視界がくらくらしているような気がする。
少しでも時間を稼ぎながら、ゆっくり歩いていたが目的地についてしまった。
ここは実験動物のえさを発注している。
生ものを多く扱っているために生臭く、心なしか部屋の蛍光灯も鈍く光って見えた。
床がコンクリで濡れて黒いせいだなどと思いながら、さそっく頼まれた注文を伝える。
物が沢山詰まれ何部屋も続いているために込み入っていて視界が悪い。
実験動物が大型であることが多いため餌の量も半端ではなく一つ一つ人が十分は入れるぐらい大きい。
餌は箱から直接ゲージに放り込まれるためこの箱に紛れ込んでしまったら終わりだな・・・。
などと考えながら研究室への帰路に着く。
と、足がふらついた。
やばい。
かなり寝不足が祟っているらしい。
もともと睡眠時間が足りないと眠気が取れなくなる体質であるので当然の結果だ。
と運悪くつまずいて、餌の入っている箱に転げこんでしまった。
さらに悪いことにその拍子に鉄製の分厚い壁に思いっきり頭を打ち付けてしまった。
眠気も助けてか、どんどんと意識は薄れていった・・・・・・。









暗転
































グシャグシャガリッと何かを噛み砕くようないやな音がする。
次第に視界が開けてくるとそこには赤の世界が広がっていた。
頭がボーッとする。
だんだん頭もすっきりしてきてそこには黒なども含まれていることが分かる。
と白い塊が動いていた。
よく見ると毛皮であることがわかる。
その物体は体は人間の姿をしているが頭は狼のそれで全身を白い毛皮が覆っていた。
そう狼人だ。
この施設ではよく研究させている動物である。
見慣れているせいか特に何も考えることなく立ち上がる。
よく見ると、こんな狼人は見たことがない。
よく見るものよりも数段完成された姿をしている。
もっとよく観察してみたくて近づいてみる。

と何か違和感を感じた。
何だろうと考えながらもゆっくり近づいていく。
ふと感じた違和感が何なのかに気づいてしまった。
そう、ここには柵がないのだ。
もちろんガラス張りにしているゲージもあるがそんなものもない。
またそこで自分は餌の箱の中にこけてしまったことを思い出した。
自分の姿を見てみると白衣が真っ赤に染まっている。
肉の中に紛れ込んでいたようだ。
逃げなくてはと思いつくが、ゲージはもちろん強靭な体躯を持つ獣人が逃げ出さないようにあらゆる対策をしており、人間の力で抜け出すことは不可能だ。
考えに耽っているといつの間にか音が止んで、無音になっている。
顔を上げると、頭一つ分ほど大きい毛皮が目の前にあった。
黄色い瞳が此方を見つめている。
やばい。やばい。やばい。
それで頭がいっぱいになり、逃げ出そうとするが、すぐに腕が掴まれる。
必死に引き剥がそうとしているとびりびりと裂ける音が聞こえた。
はらりとぼろぼろになった白衣と上着が地面に落ちる。
恐怖で体が固まってしまう。
狼人はさらにズボンまで引き裂き、僕は素っ裸になってしまう。
首筋を生暖かくぬめっとした感覚が奔った。
どうやら獣人が舐めたようだ。
うまそうな生きた獲物をじっくり味わおうとしているのかもしれない。
僕はこれから食べられてしまうのだろうか。
しかし、僕の頭の中にはもう一つの思考が働いてしまっていた。
そういえば僕は獣人が好きでこの施設で働こうと思った動機にはかなりの割合で獣人と恋人関係になれたらなどという夢物語があったのだということを思い出す。
ならば、たとえこのまま彼に食べられてしまうのも本望なのではないのかと。
僕の体は首筋を舐めるという性行為の前戯を思わせる行為のせいで反応してしまっていた。
血生臭さに混じってオス臭さが混じっていることに気づく。
下肢に獣人の体が押し付けられていた。
熱を帯びた棒状のものを感じる。
顔が燃えそうなぐらい熱くなり、心臓がそれまでの比ではない収縮運動をし始める。
体にこすりつけることに飽きたのか、我慢できなくなったのか,獣人はいったん体を離し、僕の両足を抱え、抱き上げた。
僕はすっかり興奮してしまい、力が入らず抵抗できなかった。
獣人は僕を抱えて奥へ運んでいく・・・。
そこには、驚いたことにベットがある。
上等なベットではなく、囚人が使うようなパイプの簡易ベットであるが普通実験動物のゲージにベットなどを置いていることなどありえないため面食らってしまう。
しかし、獣人はお構いなしに僕をベットの上におろす。
ベットがきしんだ高音を出す。
黒ずんでカビた怪しい雰囲気をかもし出す天井が見えたがすぐに白狼の顔が覗き込んでくる。
のしっと重みが体にかかってきてさらに体温が上がってしまう。
白狼は口を舐めてきたので僕は嬉しくなって、口をあけて応える。
白狼もまた嬉しそうにねっとりと舌を絡ませてくる。
僕に手を出すぐらいだから相当たまっているのだろう。
信じられないほど深いキスをしてくる。
キスをするのも初めての僕はすぐにその甘さに酔いしれてしまう。
クチックチュッっと口の中で音が聞こえてきそうなほど激しく求められる。
じっと此方を見つめている黄色い瞳に吸い込まれそうだ。
ようやくとろりと糸を引きながら口が離れると甘い吐息が漏れてしまう。
白狼も僕が感じていることが分かっているようで特に押さえつけることもなく、長いマズルを器用に操って吸い付くように首筋や胸の辺りを舐め始めた。
興奮したオスの荒い息遣いが聞こえる。
その響きに僕は興奮し切ってしまう。


「んっ・・・ぁ・・・。」


気持ち良すぎて声を抑えることも出来そうにない。
白狼は僕が声を上げてしまったところを重点的に舐めてくる。
感じさせようとしているようだ。
もっともすっかり感じてしまっているわけだが・・・。
しばらく胸の辺りを舐めていたが、ゆっくりしかし確実に彼の口が僕の下肢へと向いだす。
彼は臍を舐め上げると、僕の性器を一舐めする。
びくんっと僕の体が跳ね上がると彼は満足したかのように口の端を吊り上げ、歯を見せながらにやっと笑った。
と、ぐっと太ももを持ち上げられ、彼の頭がその付け根へと近づいていく。


「はぁっ・・んむぅぅっ・・・っ。」


彼の舌が優しく僕の秘穴を舐め上げたかと思うと指で尻タブをしっかりと引っ張り、ぐっと力を入れてゆっくりと舌を差し入れてくる。
にゅるっっとした生暖かいものが入ってきたことで甘えた声が口から漏れる。
すごい。
良すぎる。
彼の舌が僕の内部でねっとりと味わうように動き、出し入れを始めた。
唾液がぐちゅっぐちっっと湿った音を立てる。
自分で広げてみたりしたことはあったが、こんなにも違うなんて。
もう考えることなど出来なくなっていた。
思わず彼のマズルを両手で押さえる。
彼はすこしも気にすることなく続けてくる。
ヌチッグチュゥっと湿った音をさせてくる。


「はぁはぁ、んんっ・・・。」


すっかり僕の力が抜けたところで、じっくりと味わって解きほぐれたそこに彼はぬらした指を差し入れてきた。


「ああっ・・・。」


彼がよほどうまいのかさほど痛くもなく入り込み、ピストン運動をはじめる。
指の毛皮が何かひどく快感を誘う。
すぐに指は増え、三本が楽に出し入れできるようになると彼は指を引き抜いた。
ぎしりっとベットが音を立て、体に欲深な毛皮の感触と重みを感じた。
彼がのしかかってきたのだ。
いよいよか、と思うとだんだんと恐ろしくなってきた。
ちらりと彼の興奮しきった雄が見えたが、かなり立派なものだ。
そんな怯えを感じ取ったのか彼は優しく僕の髪をかき上げ愛しげな笑みを見せると、やさしいキスをしてきた。
舌が絡み合うのと同時に秘穴に雄があてがわれる。
彼の雄は信じられないほどの先走りがとろとろと出ており、ぬるぬるになっていた。
秘穴に自らの液をなじませるように擦り付けてくる。
彼はキスしたまま僕の片足を持ち上げるとゆっくりと体重をかける。
にゅるっとスムーズに亀頭が入る。
少し痛さを感じるが、彼がとてもゆっくり進めてくれるおかげでそれほど痛くなくすぐに治まる。
ぐっと尻に圧力を感じ、毛皮が密着する。
全部入ったらしい。
彼は口を離しまた足からも手を離すと、僕をぎゅっと抱きしめた。
心から愛しげに抱擁をしてくれる。
包み込むように彼の体温が流れ込んできて、まるで愛が流れ込んできているかのように錯覚してしまう。
僕はとても彼が愛おしくなっていた。
彼の首に抱きつくことで応えてやる。
彼は嬉しそうにしかし僕が壊れないようにさらに腕に力を込めると、ゆっくりと腰を動かし始める。
はじめは上下に、少しすると腰を回し始め、段々と早く、不規則になってくる。


「あっ、あっ、んんっ、はあっっぅ・・・。」


痛いかと思っていたが、信じられないような全身を貫く快感に声が漏れる。
ぎしっぎしっ、というベットの音もまた興奮を掻き立て、思考を妨害して頭が真っ白になっていく。
快感に僕の腰も動き始めていた。
彼もだんだん我慢できなくなっているようで、野太い声が漏れ始め、僕の腰を抱え込んで一際大きな振りを繰り返す。


「うぁっ、あっ・・・。」

「ウッ、ウウッ・・・。」


彼はぐっと僕の首筋に頭を押し付け、腰もぴったりとくっつけて動かなくなる。
すぐに体内に熱い仔種が注ぎ込まれる。


「ああっ、ん・・・。」


彼が吐き出す熱は膨大で、どんどん突き上げるように全身をじわりじわりと侵食していく。
彼の射精はなかなか止まらない。
僕は長い射精で興奮してぎゅっとお尻に力を入れてしまう。
やっと終わると彼は結合したまま僕を抱え上げ、自分の胡坐の上に僕を座らせる形にした。
じっと見つめられ思わずドキッとする。
と、彼はにっと笑ったかと思うと下から突き上げてくる。


「あっ、ちょっ・・・、ちょっと・・・まっ・・ん・・てぅ・・・。」


制止しようとするが、彼は聴く耳持たずで突き上げ、口を塞ぐ。
たっぷりと注ぎ込まれた彼の仔種が内股にとろりと垂れてくる。
すぐに僕は息が上がって、そこに触れられても居ないのに限界に達してしまった。
イク瞬間の締め付けで彼も二度目の種付けをする。
僕がイッたことを認めると彼はゆっくりと自らを僕から引き抜いた。
どろりと糸を引き子種が垂れる。

彼はくんくんと匂いを嗅いで溢れてきたそれを舐め取り、僕を抱きしめたまま寝転ぶと精魂を使い果たしたかのようにコトリと眠ってしまった。

すうすうと寝息が聞こえる。

僕も寝不足であったし、疲れ果てて、愛しい彼の手を握ったまま暗黒の中に意識を手放した・・・。
























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